第36回全国社会福祉法人経営者大会(三重県四日市市)を開催

地域共生社会の実現に向けた社会福祉法人の実践

 平成29年9月14日(木)~15日(金)、三重県四日市市の「四日市市文化会館」をメイン会場として、第36回全国社会福祉法人経営者大会を開催しました。

 本大会は、「地域共生社会の実現に向けた社会福祉法人の実践」をテーマに開催し、全国から約1,200名にご参加いただきました。

 

 

 初日の磯会長による基調報告「社会福祉法人をめぐる動向と全国経営協の取り組み」では、社会福祉法人が、それぞれの分野や施設の利用者に対するスペシャリティー(専門性)を上げるとともに、社会のユーティリティープレーヤーになることが求められている、と参加者に向けて発信しました。

 続いて、パネルディスカッション「改革の先へ進む社会福祉法人の存立基盤」を行いました。全国経営協 平田 直之 制度・政策委員長による進行のもと、新しい「地域共生社会」の実現のためには、さまざまな既存の基準(人、ハード、財源等)や所轄庁の考え方の転換を図り、社会福祉法人自身も、既存の制度の枠にとどまらず、サービスの内容やその供給体制を考えることが必要ではないか等、今後の社会福祉法人経営のあり方について考察しました。

 特別講演「『心に届く』話し方・聞き方のコツ」では、株式会社マツモトメソッド 代表取締役で、元NHKアナウンサーの松本 和也 氏より、聞き手の心に届く話し方は、うまく話す必要はないこと、伝え方のキーワードは、「シンプルであること」等について、示唆に富んだお話をいただきました。

 その後、田邉 信行 副会長による大会総括および全国経営協会員法人が一丸となって取り組むべきことを「大会宣言」として採択するとともに、佐藤 正雄 会長はじめ長野県経営協による次回開催県挨拶を行いました。

 翌日は5つの分科会に分かれ、会員法人による実践事例の発表のほか、講義やディスカッション等を通して、これからの法人経営についての理解を深めました。

 

 なお、全国大会の詳細は、会報「経営協」の11月号にてご報告する予定です。

 

大会宣言

 

 社会福祉法人の源流は、社会事業家とよばれる私たちの先達の功績にあり、その優れた実践から、新たな理論や技術が生み出され、今日のわが国の社会福祉制度が形づくられてきました。

 

 社会福祉法人制度創設以来、もっとも大きな見直しとなる、改正社会福祉法が本年4月に本格施行されましたが、このことをもって改革が終了したのではなく、社会福祉法人をめぐる議論が、制度論から実践論へと新たなステージに移行したことにほかなりません。

 

 今般の制度改革の本旨は、社会福祉法人が非営利法人にふさわしいガバナンスと高い透明性を備え、主体性をもった自律的な法人経営に取り組み、国民に対する説明責任を果たし、地域社会に対し、その公益性を発揮することにあります。

 

 地域における公益的な取り組みの実施が責務とされ、われわれ社会福祉法人は、地域に根ざした取り組みに、これまで以上に積極的に取り組み、さらにそのことを率先して社会に発信し、安心してその人らしい生活を送ることができる社会の実現に向け、地域のなかで主導的な役割を果たしていく必要があります。

 

 全国社会福祉法人経営者協議会会員法人は、地域社会の一員として、すべての国民が生きがいをもってともに暮らす地域共生社会の実現に向けて、次のことに全力で取り組みます。

 

 私たち社会福祉法人は、

 一. 利用者の人権を常に尊重し、福祉サービスの質の向上をはかります。

 一. 地域のさまざまな生活・福祉課題に積極的に対応し、

     地域における公益的な取組の推進と

     地域共生社会の実現を主導します。

 一.  非営利法人にふさわしいガバナンスと高い透明性を備え、

     次代を見据えた経営計画に基づく

     主体性をもった自律的な法人経営を進めます。

 

 以上、宣言します。

      

        平成29年9月14日

        第36回全国社会福祉法人経営者大会(三重県四日市市)